絵師別 江戸絵画入門

安村 敏信 著

価格
2,200円(税込)
刊行
2015年07月
ISBN
9784808710439
Cコード
0071
判型
A5
ページ数
176

内容

□江戸前史の桃山絵画を序章として、江戸期に活躍した個性豊かな絵師たちを年代順に紹介。それぞれの絵師の特色や作品の見どころを中心に解説し、鑑賞のポイントやエピソードも盛り込んで、絵師たちの素顔もかいまみることもできる楽しいガイド。
□コラムでは、絵師別の紹介では伝えきれない時代の動向をまとめ、江戸絵画の通史として読めるようになっています。
□本書は2005年に刊行した『すぐわかる画家別近世日本絵画の見かた』を『絵師別 江戸絵画入門』と改題し、巻頭口絵と、巻末の人名索引を増補し改訂したものです。巻頭口絵「まず楽しんで!!」では艶・色恋・狂・無惨・地獄・酔・殿様芸などフレキシブルな視点で多彩な表現を紹介。堅苦しい枠にとらわれず、古典作品を身近に楽しむコツを伝授します。

目次

はじめに
巻頭口絵──へえ、知らなかった。江戸絵画の面白さ
まず楽しんで!!
艶/色恋/狂/無惨/地獄/経で絵/ほっ/動物/幻/酔/笑/殿様芸/光と影/擬洋風


序章──安土桃山時代 16世紀後半-17世紀初頭
狩野永徳──気宇壮大な桃山時代様式の創造者
長谷川等伯──華麗な色彩を金碧画面に塗り込めた画家
海北友松──戦国武人の気合を絵筆に込めた画家
●コラム 世界観の拡大と巨樹表現

江戸時代前期 17世紀初頭-18世紀初頭
狩野探幽──瀟洒淡麗な江戸時代様式の創造者
狩野山雪──心の屈折を老木の屈曲に託す
土佐光起──軽みのある装飾美に新生面を開く
住吉具慶──細密画法を江戸に伝えた功労者
久隅守景──朴訥な黒線で描くのどかな農村風景の名手
英一蝶──吉原風俗と古典のパロディーで新機軸
俵屋宗達──濃厚なやまと絵の復興者
尾形光琳──装飾画の世界に新様式を展開する
岩佐又兵衛──特異の人物描写に執念を込めた画家
菱川師宣──浮世絵の様々なジャンルを開発した元祖
●コラム 幕府御用をはずれた絵師たち
●コラム 宗達・光琳の画風を慕った画家たち
●コラム 浮世絵のさきがけ、寛文美人図

江戸時代中期 18世紀初頭-18世紀末
与謝蕪村──俳譜の心を筆に託す
池大雅──諸流派を吸収し天衣無縫な境地に至る
宋紫石──中国渡来の写生画法を江戸に広める
円山応挙──誰が見てもわかる平明な絵をめざす
伊藤若冲──写実を突きぬけ幻想の世界へ
曾我蕭白──奇矯な個性を画面に込める
長沢廬雪──奇抜な着想でド肝をぬく
白隠──デフォルメとユーモアの達人
小田野直武──伝統画材で西洋画を超えようとした男
佐竹曙山──西洋画法に憧れて幻想世界で遊んだ殿様
司馬江漢──銅版画・油彩画を自力で開発したマルチタレント
鈴木春信──夢幻世界に遊ぶ単性的な男女たち
勝川春章──役者似顔絵を創始し、肉筆美人図の優品を量産
喜多川歌麿──女の実相に肉迫した絵師
東洲斎写楽──醜さも個性として描き出した謎の絵師
●コラム 文人画のはじまりと舶載文物・来舶清人
●コラム 日本絵画の写実表現
●コラム 西洋をのぞく窓
●コラム 浮世絵の新技法
●コラム 似絵の伝統

江戸時代後期 18世紀末-1867年
谷文晁──関東文人画の巨匠
林十江──速筆に託す孤独な悲鳴
立原杏所──気品にあふれる典雅な文人画の世界を構築
渡辺崋山──憤を筆に託し写生に迫る
岡田米山人──奇矯な形に心を託す
浦上玉堂──脱藩して絵画の世界に遊んだ吟遊詩人
田能村竹田──精緻な画法で文人画の本質に迫る
酒井抱一──装飾性に詩情を込めて琳派を江戸に広める
鈴木其一──斬新な視覚で切り取られた自然
亜欧堂田善──独学で銅版画や西洋画法を深化させる
川原慶賀──シーボルトの眼となって日本を活写
安田雷洲──銅版画を深め肉筆画で奇妙な空間を創出
葛飾北斎──次々と新境地を開拓した画狂人
歌川広重──風景に叙情を込めて美しい日本を描く
歌川国芳──洋風表現を取り入れ、奇抜な風景画を作る
河鍋暁斎──浮世絵と狩野派を自在に描き分け新境地を開
狩野養信──古画模写でやまと絵の真髄を極める
逸見(狩野)一信──独特の陰影法で奇矯な羅漢図を描く
冷泉為恭──やまと絵復興に命をかけた画家
柴田是真──江戸っ子の粋を筆に託す
●コラム 関東と関西の文人画の違い
●コラム 近現代の日本絵画に与えた琳派の影響
●コラム 江戸時代は女性画家も大活躍
●コラム 悪所から世相風刺へ

人名索引/年表/図版目次

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