すぐわかる女性画家の魅力

千足 伸行 監修・著/野地 耕一郎 , 吉田 恵理 , 家田 奈穂 著

価格
2,420円(税込)
刊行
2007年05月
ISBN
9784808708092
Cコード
0071
判型
A5
ページ数
136

内容

■描くことに命を燃やした女性たちの生涯と作品に光を当てた初の入門書。
■一般の美術史入門書では女性画家はあまり多く紹介されないが、歴史をひもとけば、ルネサンス時代から幾人もの女性画家が活躍していたことがわかる。なかには10歳で注文を受けた早熟の才人もいれば、80歳で開花した人、王侯貴族のパトロンに恵まれ国外にも名声を響かせた売れっ子や、最先端の芸術運動の中心で活躍した時代のトップランナーもいた。しかしどんな才能の持ち主であっても、女性の場合は常にさまざまな困難がたちはだかり、そこに様々な葛藤が生まれた。
■本書は、ヨーロッパが生んだ最初の注目すべき女性画家から、映画や展覧会でも知名度が高まった近現代の画家まで50余人を取り上げ、女性ゆえに、女性だからこそ直面した幾重もの壁と向き合いながら、美の歴史に輝きを残した画家たちの波瀾万丈の生き方と作品の魅力を紹介する。

目次

第一章  ルネサンス・バロック・ロココの女性画家:16-18世紀
ソフォニスバ・アングィッソーラ…イタリア・ルネサンスで最初で最大の女性画家の一人
アルテミシア・ジェンティレスキ…屈辱的な体験に絵筆でリベンジしたイタリア・バロックの画家
ユーディット・ライステル…オランダ絵画の黄金時代を代表する女性画家の一人
ルイーズ・モワイヨン…バロック時代のフランスを代表する静物画家の一人
マリア・シビラ・メリアン…科学的な正確さと芸術的な美しさを融合した初の女性画家
ラケル・ライス…オランダの華麗な花の静物画を代表する画家の一人
ロバルバ・カリエラ…ロココ時代のイタリアのパステル画の名手
アンゲリカ・カウフマン…ヨーロッパ各国で活躍した、時代を代表する画家の一人
アデライド・ラビーユ=ギヤール…人気画家ヴィジェ=ルブランの最大のライバルだった画家
マリー・ルモワーヌ…新古典主義時代を代表する女性の肖像画家の一人
エリザベト・ヴィジェ=ルブラン…女性では古今最大の人気肖像画家の一人
マルグリト・ジェラール…優美かつ繊細な風俗画を得意とした画家

第二章  写実主義・印象派・世紀末の女性画家:19世紀
ローザ・ボヌール…近代の女性画家の第一号。動物を描かせては右に出る者なし
ソフィー・アンダーソン…イギリス帝国の黄金時代、ヴィクトリア朝を彩った女性画家の一人
リリー・マーティン・スペンサー…19世紀のアメリカが生んだ最も人気ある女流画家の一人
メアリ・オズボーン…ヴィクトリア朝の社会の現実、その光と影を描いた画家
ベルト・モリゾ…メアリ・カサットと共に印象派を代表する女性画家
メアリ・カサット…ベルト・モリゾと共に印象派を代表するアメリカ生まれの画家
リラ・カボット・ペリー…アメリカ、フランス、日本で活躍した印象派の画家
キッティー・キーランド…印象派と同世代の北欧の代表的女性画家の一人
アンナ・アンカー…民衆の日常生活を共感豊かに描いた北欧の画家
ルイーズ・アッベマ…世紀末のフランスで活躍した上流社会の画家の一人
マリー・バッシュキルツェフ…豊かな才能に恵まれながら、わずか25歳で逝った悲劇の画家
イヴリン・ピッカリング・デ・モーガン…ラファエル前派風の神話的、寓意的主題の画家
マーガレット・マクドナルド…産業都市グラスゴーで活躍した進歩派“4人組”の一人

第三章  現代にはばたく女性画家:20世紀
シュザンヌ・ヴァラドン…ユトリロの母としても知られる個性派、無類派の画家
マリアンネ・ウェレフキン…ミュンヘンの“青騎士”グループから出発した異色の画家
ケーテ・コルヴィッツ…社会の弱者、敗者への熱い思いに生きた人間愛の画家
パウラ・モダーゾーン=ベッカー…北ドイツの鄙びた自然の中に生きた異色の画家
ガブリエレ・ミュンター…カンディンスキーの良き伴侶にして個性的な画家
グエン・ジョン…その人柄、生き方と同様、静謐な画風は彼女だけのもの
ナタリヤ・ゴンチャーローヴァ…20世紀のアメリカを代表する個性豊かな画家
マリー・ローランサン…あらゆる女性画家の中でも最も女らしい画家の一人
ジョージア・オキーフ…20世紀のアメリカを代表する個性豊かな画家
タマラ・ド・レンピッカ…画家として、女としての時代のシンボル的存在
レオノール・フィニ…現代有数の幻想の画家にしてマルチタレント
フリーダ・カーロ…画家として、女として、苦難と波乱にみちた47年の生涯
グランマ・モーゼス…75歳で本格的に絵を描き始めたスーパーおばあちゃん

第四章  日本の女性画家:17-20世紀 [江戸時代・明治・大正・昭和]
清原雪信…師・探幽、父・守景をあわせ継いだ狩野派随一の閨秀画家
光子内親王…狩野派に学び信仰を持って描き続けた敬虔な尼僧画家
池玉瀾…夫・池大雅のエッセンスを昇華させた女流文人画の第一人者
織田瑟々…桜狂いの中でも、とびきり力強い桜画を描いた尼僧画家
葛飾応為…闇夜と灯りを自在に描いた肉筆美人画の名手
奥原晴湖…明治の文人画盛衰と歩みを共にし、一世を風靡した女傑
野口小蘋…「南画の女王」として明治を生きた宮廷画家
山下りん…明治期日本の希有な存在・日本最初のイコン画家
ラグーザ玉…西欧絵画の手法を身につけ、イタリアで活動した日本初の画家
上村松園…美人画の第一人者 美への理想やあこがれを絵筆に託して
池田焦園…甘く感傷的な女性像で大正時代を風靡した東京画壇の華
島成園…妖艶な女性像で大正時代を彩った大阪における女性画家の先駆者
梶原緋佐子…現実に生きる生々しい女を描く
小倉遊亀…モダニズムを追求した院展初の女性同人
秋野不矩…新鮮な着想と明快な造形で現代日本画を切り拓く
三岸節子…不屈の精神で女性画家の地位の向上を目指す

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著者プロフィール

千足 伸行 監修・著