すぐわかる西洋絵画よみとき66のキーワード

千足 伸行 監修・著/佐藤 幸宏 , 新畑 康秀 , 千速 敏男 , 冨田章 著

価格
2,200円(税込)
刊行
2008年11月
ISBN
9784808708511
Cコード
0071
判型
A5
ページ数
144

内容

キーワードの意味を知ると、西洋絵画のメッセージと本当の面白さがわかる!
西洋絵画を理解するための代表的なキーワード66と、250以上のサブ・キーワードで、
絵に描かれた約束事──シンボル(象徴・記号)、アレゴリー(寓意)、アトリビュート(持物や目印)を簡潔に解説。

目次

はじめに (成城大学教授 千足伸行)
○絵の中の「リンゴ」や「鳩」に託された様々な約束事
○伝統的モチーフを、時代のニーズに合わせて巧妙に”偽装”

1章 空間(世界と宇宙)
1 天国/”最後の審判”を経た人々がむかう至福の世界
2 地獄/罪人達が永遠の業火に焼かれる世界
3 太陽/「月」とは対照的に描かれる勝利者の象徴
4 月/太陽の陰ながらロマンティックに広がる夢の世界
5 星/天空に輝く様々な神そのものを表わす
6 庭/宗教画の背景から性愛の場まで”寓意の宝庫”
7 道/人生や時間、距離を暗示する定番のテーマ
8 心の遠近/遠近法画法を利用した心理上の遠近感

2章 時間(時の流れ)
9  時/視覚化が難しい人類普遍の永遠のテーマ
10 四季/時の流れや人生とも結びつくポピュラーな絵の主題
11 朝/一日の始まりは新しい希望の世界の始まり
12 夜/不和、復讐、運命、死や眠りを産む多産の母
13 人生/誕生から死までの段階と変容をどう描くか
14 時間差表現/一つの画面に凝縮された時間の経過

3章 人間
(1)生と死
15 生命の水/救済、再生、誕生をもたらす神秘の力
16 魂と肉体/不可分のようだが、死に臨んでは分離も
17 エロスとタナトス/「生まれる力そのもの」VS「死・眠り」
18 運命/回転する車輪、不安定な球体が象徴するもの
19 ファム・ファタル/男を破壊へ導く悪女ー「宿命の女」達
20 アンドロギュノス/男と女の性をあわせもつ完全なる存在
(2)日々の生活
21 室内/はじめて「風俗画」というジャンルが成立
22 食卓/人間の三大欲望の一つ「食欲」を静物画で表現
23 富者と貧者/産業革命後の近代社会に生じた対立の構図
24 読書/書物に親しむことは、暗闇に光がさすこと
25 旅/産業革命で一変したその様態と楽しみの階級化
26 地上の楽園/現実的ユートピア=風光明媚な自然と理想社会
(3)善行と悪行
27 七つの大罪/人間の欲望や感情の罪深さを教える
28 怠惰/楽をしたがるのが人間、気を許せばたちまち
29 良き母、悪しき母/子を慈しみ守る女、子を捨てる女
30 美徳と悪徳/いつの世でも両者の間で心揺れる人間の弱さ
(4)感覚と思考
31 五感/人間に生きる喜びをもたらす五つの感覚
32 不安/人間が本能的に感じる心のおののき
33 夢/あまりに劇的で魅力的な教訓画のテーマ
34 心の旅/文学や絵画のモチーフとなった魂の遍歴物語
35 希望/これなくして、人間は生きてはいけない
36 手/言葉を超えた人間の感情を読む手段
(5)様々な表現
37 聖なる比例/八頭身、黄金分割など「永遠の美」の基準
38 三角形/キリスト教における「三位一体」の図形化
39 文字/「文字+図」は古来有用な情報伝達のシステム
40 色彩1/聖なるものや人、徳を区別する色
41 色彩2/表現の可能性を広げた二十世紀の色彩
42 トリック・アート/見る者に実物と錯覚させる精緻な対象描写
(6)道具と遊び
43 天秤/天使がもつ裁きの道具ー正義と悪を公平に分別
44 楽器/習得すべき七つの学問の
45 鏡/「真実」や「虚栄」の擬人像のアトリビュート(持物)
46 蝋燭/信仰の光と”ヴァニタス(はかなさ)”の象徴的な小道具
47 シャボン玉/はかなさ(ヴァニタス)を表現するのに適したモチーフ

4章 自然
(1)動物の世界
49 犬/人間に忠誠をつくす動物の代表格
50 猫/「生けるもの」また「怠惰」「好色」の象徴として
51 猿/「猿まね」に象徴される模倣のトリックスター
52 鳩/ヴィーナスの持物、キリスト教では聖霊の象徴
53 白鳥/アポロンが「死」を予知する能力を授けた鳥
54 烏/実は賢いのに、損な役回りが多い鳥
55 蝶/人間の魂や生死と結びつけられるその姿かたち
56 馬/時には人に忠実で、時には猛々しい存在
(2)植物の世界
57 バラ/美の女神を象徴し、聖なるもの高貴なものを飾る
58 ユリ/聖母マリアの”純潔”を象徴する花
59 ヒマワリ/向日性の花ゆえの象徴性と、豪奢な装飾性
60 糸杉/「冥界の神」や「死」に関連づけられた常緑樹
61 枯れ木/”樹木の輪廻”思想における死と復活のシンボル
62 信仰の木/神がエデンの園に植えた「知恵の木」「生命の木」
(3)現像
63 虹/大洪水の終焉を告げる神との契約の証
64 影/人の大切な分身。魂を売り渡せばこれも消える
65 ヴァニタス/「空しさ」への思いは身近な品々に託される
66 川/黙示録に記された生命の水、死者も渡る万物の源
用語解説

オンライン書店で購入する

著者プロフィール

千足 伸行 監修・著

冨田章 著

1958年生まれ。慶應義塾大学文学部卒。成城大学大学院文学研究科修了。財団法人そごう美術館、サントリーミュージアム[天保山]を経て、現在、東京ステーションギャラリー館長。これまで「ロートレック展 パリ、美しい時代を生きて」「巨匠ピカソ 魂のポートレート」「エミール・クラウスとベルギーの印象派」「シャガール 三次元の世界」「メスキータ」などの展覧会に関わる。主要論文に「1887年の〈二十人会〉におけるジョルジュ・スーラ ベルギー新印象派に関する考察」(1991年)、「スーラの自画像」(2011年)など。著書に『偽装された自画像 画家はこうして嘘をつく』(祥伝社、2014年)、『代表作でわかる 印象派BOX』(講談社、2018年)、『ビアズリー怪奇幻想名品集』(東京美術、2021年増補改訂版)、『ゴッホ作品集』(東京美術、2021年)、共著に『魅惑のベルギー美術』(神戸新聞社出版局、2013年)、『初老耽美派 よろめき美術鑑賞術』(毎日新聞出版、2019年)、訳書にアラン・ボウネス著『ゴーガン』(西村書店、1994年)、アリックス・パレ著『魔女絵の物語』(グラフィック社、2023年)などがある。