もっと知りたい藤田嗣治

林 洋子 監修・著/内呂 博之 著

価格
1,980円(税込)
刊行
2013年08月
ISBN
9784808709686
Cコード
0071
判型
B5
ページ数
96

内容

□海外で成功を収めた日本人画家の草分け的存在である藤田嗣治(レオナール・フジタ)の、81歳、パリで亡くなるまでの創作活動を追う。画家を一躍有名にした乳白色の肌の裸婦がよく知られるが、以降、中南米への旅、日本への里帰りと戦場各地への取材、渡米、そしてフランスへの帰化というように創作拠点と年代により、作風も変化をとげている。本書はその多様性を知り、画家をトータルな視点でとらえることができる。
□職人的な「マメ」な才能を発揮した針仕事や大工仕事、本の挿絵や装丁も紹介。写真家土門拳の心をとらえた、被写体としての画家の素顔の魅力なども特集でとりあげた入門書の決定版。   

目次

藤田嗣治からレオナール・フジタへ──20世紀の「西欧」と「極東」の出会いのシンボル  林 洋子
序章  フランスへの憧れ 1886─1912(0─26歳)
    パリを目指す画学生

第1章 パリ─乳白色の誕生 1913─1929(27─43歳)
失われゆく「パリ風景」の発見
パリの異邦人美術家コミュニティーで
20年代初頭、画風の確立
集める 描く
裸婦に向かって
布を描く 猫を描く
女性肖像画へのこだわり
アール・デコ期の宗教画
大画面の群像表現に挑む
傑作クローズアップ 《ジュイ布のある裸婦》
もっと知りたい(1) 乳白色の技法

第2章 旅する画家  1929─1938(43─52歳)
中南米での2年間
極東の街頭風俗を描く
中南米から和の暮らしへ
壁画の時代
もっと知りたい(2) モデルとしての二人の妻
もっと知りたい(3) 本のしごと (1920─30年代)

第3章 戦争画の時代  1938─1948(52─62歳)
戦場への旅
空想への旅 フランスへの思い
傑作クローズアップ 《猫(争闘)》
もっと知りたい(4) 被写体として─土門拳がとらえた画家の素顔
もっと知りたい(5) 自画像にたどる画家の心象

第4章 晩年──レオナール・フジタ 1949─1968(63─81歳)
ニューヨークでの創作活動
理想の家
再びパリを描く
永遠の子どもたち
帰化と洗礼
もっと知りたい(6) 手しごとに取り憑かれた画家
もっと知りたい(7) パリへのオマージュを込めた集大成 連作《小さな職人たち》
もっと知りたい(8) 最後のアトリエ〈ヴィリエ=ル=バクル〉
もっと知りたい(9) フジタの遺言 ノートルダム=ド・ラ・ペ礼拝堂

レオナール・フジタへの旅  内呂博之
藤田嗣治に出会えるおもな美術館・施設(国内・海外)


【コラム】
エコール・ド・パリ
ブラジル珈琲宣伝所壁画
妻を恋うる絵手紙
カンパーニュ=プルミエール通りのアトリエ

【とりまく人々】
岡本一平
川島理一郎
フェルナンド・バレー
キキ
薩摩治郎八
蘆原英了
宮本三郎
木村荘八
フランク・シャーマン
田淵安一



※『もっと知りたい藤田嗣治』正誤表

   本書掲載作品の情報に誤りがございました。
   訂正してお詫び申し上げます。
  
   28頁
   《エミリー・クレーン=シャドボーンの肖像》
    誤:1922年 油彩、銀箔、カンヴァス     
    正:1922年 テンペラ、銀箔・カンヴァス

   33頁
   《ライオンのいる構図》
   《犬のいる構図》
    誤:1928年 油彩、金箔・カンヴァス     
    正:1928年 油彩、カンヴァス  

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著者プロフィール

林 洋子 監修・著