もっと知りたいミュシャ 改訂版
- 価格
- 1,980円(税込)
- 刊行
- 2019年07月
- ISBN
- 9784808711528
- Cコード
- 0071
- 判型
- B5
内容
□本書はアルフォンス・ミュシャ(1860-1939)の生涯に沿って、代表作を紹介するコンパクトな評伝画集です。モラヴィア(現チェコ)の小さな町を出て、花の都パリで一躍時代の寵児となって活躍するも、望郷の念やみがたく50歳の頃に祖国に帰り、後半生をスラヴ民族のために尽くした画家ミュシャ。その生涯を見渡すと、よく知られたミュシャ像とは異なる真実が見えてきます。
□「忘れてならないのは、我々の知るミスター・アール・ヌーヴォーとしてのミュシャは彼の一面にしかすぎないことである。彼がその華やかで優美な作品により、いかに〈パリ化〉したように見えても、彼の血はスラヴ民族のそれであり、彼の意識の底にあったのは一貫してスラヴ民族の誇りであった」(本書より抜粋)。本書では華麗なるアール・ヌーヴォーの画家、デザイナーとしてのミュシャはもちろん、ミュシャの民族主義、祖国愛についても多くのページを割いて解説しています。
□本書は2007年9月に刊行した『もっと知りたいミュシャ 生涯と作品』の第3章「スラヴ叙事詩」の項を改変し、さらに16ページを増補して改訂したものです。
目次
はじめに もう一人のミュシャ
真実のミュシャ
第1章 誕生からパリ・デビューまで
伝説の女優サラ・ベルナール
ベル・エポック
ミュシャと象徴主義、オカルティズム
ミュシャと芸術家たち
ポスターの黄金時代
ミュシャと写真
第2章 世紀末の光と影
1900年のパリ万博
アール・ヌーヴォー
巷の芸術、民衆の芸術
デザイナー・ミュシャ
ミュシャとアメリカ
ミュシャと女性
第3章 故郷に帰る
プラハのアール・ヌーヴォー
ミュシャの祖国愛
油彩画家としてのミュシャ
スラヴ叙事詩
スラヴ叙事詩ができるまで
著者プロフィール
1940年東京生まれ。東京大学文学部卒。TBS(東京放送)を経て国立西洋美術館に勤務。1970−72年、西ドイツ(当時)政府給費留学生としてドイツに留学し、ミュンヘン大学で主にドイツ・ルネサンス美術を学ぶ。帰国後、西洋美術館に復帰。1979年より成城大学文芸学部に助教授として勤務、1986年教授となり、2011年同大学を定年退職。現在同大学名誉教授、広島県立美術館館長。専門分野はヨーロッパの近代、とりわけ世紀末を中心とする美術。主な著書に、『新西洋美術史』(西村書店)、『アール・ヌーヴォーとアール・デコ:甦る黄金時代』(小学館)、『すぐわかるキリスト教絵画の見かた』『もっと知りたいミュシャ 改訂版』『もっと知りたいクリムト 改訂版』『すぐわかるギリシア・ローマ神話の絵画 改訂版』『すぐわかる幻想美術の見かた 改訂版』『すぐわかる女性画家の魅力』『すぐわかる20世紀の美術』『ミュシャ作品集 増補改訂版』『ミュシャ装飾デザイン集 増補改訂版』(以上、東京美術)などがある。