鳥獣戯画研究の最前線
東京美術ピルグリム叢書
- 価格
- 3,300円(税込)
- 刊行
- 2022年04月
- ISBN
- 9784808712280
- Cコード
- 0071
- 判型
- A5
- ページ数
- 272
内容
みなに愛される人気作でありながら、制作者も主題もわからない謎多き絵巻、国宝「鳥獣人物戯画」。日本美術史の未来を担う第一線の若手研究者たちが、平成の大修理後の新知見を踏まえ、徹底解明に挑む!
目次
口絵
序にかえて 土屋貴裕
鳥獣戯画とは何か
第一章 平成の修理の意義
鳥獣戯画平成の修理を終えて 朝賀 浩
鳥獣戯画研究の展望 土屋貴裕
第二章 鳥獣戯画成立の文化史的背景
鳥獣戯画・蓮華王院宝蔵・正倉院 増記隆介
平安後期における宋画受容
―「鳥獣戯画」乙巻を対象として― 猪熊兼樹
動物たちはどこから来たのか?―鳥獣戯画と動物主題との関わり― 三戸信惠
鳥獣戯画作者・鳥羽僧正覚猷説の可能性に関して
―寺院を中心とした歴史的環境の観点から― 大原嘉豊
第三章 鳥獣戯画の様式 「型」と「線」
宮廷絵師説の可能性を考える 五月女晴恵
白描画としての鳥獣戯画―線描の妙技― 古川攝一
平安絵巻としての鳥獣戯画――場面展開の妙味 井並林太郎
第四章 高山寺という「場」と鳥獣戯画の評価
明恵・高山寺・鳥獣戯画―附、箱と目録― 大槻 信
明恵上人坐像と慶派仏師 皿井 舞
欧米がみた鳥獣戯画―近代における海外出品を巡って― 鬼頭智美
連続講座 鳥獣戯画研究の最前線パネルディスカッション
「徹底討論!鳥獣戯画研究を極める」
あとがき 土屋貴裕
掲載作品一覧
執筆者紹介
著者プロフィール
1979年千葉県生まれ。東京国立博物館主任研究員。千葉大学大学院単位取得満期退学。東京文化財研究所を経て現職。「鳥獣戯画 京都高山寺の至宝」(2015年)、「春日大社 千年の至宝」(2017年)、「仁和寺と御室派のみほとけ」(2018年)等の特別展を担当。編著・論文に「高山寺伝来文化財の研究」(『東京国立博物館紀要』51号、2016年)、『歌仙絵』展図録(東京国立博物館、2016年)、『室町時代のやまと絵』展図録(同、2017年)、「十二天画像の変遷」(『国宝 東寺』展図録、2019年)、「三十六歌仙絵の成立と「時代不同歌合絵」」(『大和文華』135号、2019年)、高山寺監修・土屋貴裕編『高山寺の美術』(吉川弘文館、2020年)など。